肩の力を抜いて観られる映画はないかニャ…
映画大好き人間の筆者にお任せください!
人一倍、感受性が豊かで繊細な気質を持っているHSP(Highly Sensitive Person)のわたしたち。
日常のちょっとした刺激に疲れ果ててしまう日もありますが、裏を返せば、ひとつの出来事から多くの感情やメッセージを受け取れる「才能」を持っているとも言えるでしょう。
今回は、HSP当事者である筆者がこれまで観てきた1000本以上の映画の中から、心の深呼吸ができるような映画10選を厳選。映画の内容と合わせて「こんな人におすすめ」というポイントもご紹介します。
観終わった後に「自分らしく生きていいんだ」と心がふっと軽くなる。そんな優しい癒やしと、明日への小さな勇気をくれる名作たちをご紹介します。あなたの繊細な感性にそっと寄り添う一本を、一緒に見つけてみませんか。
夜明けのすべて(2024)
PMS(月経前症候群)で感情を抑えられない藤沢さん(上白石萌音)と、パニック障害を抱え生きがいを失った山添くん(松村北斗)。職場の同僚として出会った二人が、恋人でも友達でもない距離感で、互いの「生きづらさ」を少しずつ溶かし合っていく癒やしの物語です。
不器用で、自分の気持ちを表現するのが上手ではないふたりが、間違ったり傷つけ合ったりしながらもお互いを理解していく姿を見ていると、「このふたりも大丈夫だったから、もしかしたら自分も生きていけるかもしれない」と勇気をもらえます。二人を取り巻く周囲の人たちも愛にあふれていて、こういう世界が広がればいいなあとあたたかい気持ちになりました。
個人的にはアイドルグループ「SixTONES」のメンバー・松村北斗さんの自然な演技に目を奪われました!必見!
原作小説を読んでみたいという方は、こちらからどうぞ!
メタモルフォーゼの縁側(2022)
人付き合いが苦手な女子高生と、夫に先立たれた75歳の老婦人。年齢差のある2人が、一冊の「BL漫画」を通じて繋がっていく、優しく愛おしい日常を描いています。
新しいことを始めるとき、自分らしくないことをしてみたいとき。自分一人ではなかなか勇気が出せないときって、みなさんの人生にもありますよね。そんなときに横にいて、「一緒にやろう!」と言ってくれる人がいてくれたら、どれだけ心強いでしょう。
この映画を見ると、不思議と勇気が湧いてきて「わたしもやりたいことをやるぞ!」と元気が出てくるのです。落ち込んでいるときも、勇気をもらいたいときも、いつ観ても心がほっこりしてくる素敵な映画です。
漫画が原作の本作ですが、主人公を演じる芦田愛菜さんの演技に脱帽!涙なしでは見られない、珠玉の一作です。
リトルフォレスト「夏・秋」「冬・春」(2014、2015)
都会の生活になじめず、東北の小さな集落に戻ってきた主人公。自給自足の厳しい自然の中で、旬の食材を収穫し、手間暇かけて料理して食べる。自分を形作る「食」と丁寧に向き合うことで、生きる力を取り戻していく静かな成長の物語です。
自然と真正面から向き合い、生きるために働き、ご飯を作って食べるという、人間の本来の営みを描いた一作。しとしとと降る雨音やそよぐ風の音を聞いているだけで、心が洗われるような気持ちになります。
劇的なストーリー展開はなくとも、自然の中で時間をかけて自分自身と向き合う姿から、生きていくことの素晴らしさに気付かされるような作品です。
本作は韓国でもリメイクされ、人気作として評判です!
めがね(2007)
何もない南の島の浜辺へやってきたタエコ。そこには「たそがれる」こと以外に目的を持たない人々が暮らしていました。最初は戸惑う彼女が、焦らずゆっくり流れる時間の中で、心の鎧を脱ぎ捨てていく姿が描かれます。
初めてこの映画を観た時、「こういう映画があっていいんだ…」と思ったのを覚えています。特別で劇的なストーリーではなくても、心がゆっくりと心地の良い方へ動いていったのを今でも覚えています。
ぐるぐると考え事が止まらないとき、情報を入れすぎてパンクしそうなときに、ソファにだらっと座って、肩の力を抜きながら観てほしい一作です。
小林聡美さんは昔から好きな俳優さんですが、基本的にこの人が出ている映画やドラマにハズレなし!と思っている側の人間です。
かもめ食堂(2006)
「めがね」に続く小林聡美シリーズでもうひとつおすすめしたいのがこの映画です。
フィンランドのヘルシンキで、日本人女性が始めた小さな食堂。メインメニューは「おにぎり」。ゆったりとした時間が流れる店内で、心に傷を抱えた人々が集まり、温かい料理を通じて少しずつ自分を取り戻していく再生の物語です。
先に紹介した映画でも「食」がテーマになっていましたが、心身ともに健康に生きていくうえで「食べる」ということは必要不可欠なことなんだなと感じることがあります。この映画でも、食堂で提供されるふかふかのおにぎりを見ているだけで、生きる気力が湧いてきます。
この映画が公開されて以降、ロケ地となったフィンランドの聖地巡礼に訪れる日本人が後を絶たないと聞いたことがあります。かくいう筆者も、映画に出てきた食堂や本屋を巡っては「ここがかもめ食堂の…」と心を躍らせた1人です。
北欧生活に憧れのある方には、ドンピシャの映画です!
ワンダー 君は太陽(2023)
※いじめのシーンがあるので、苦手な方はご注意ください
人とは違う顔で生まれた少年オギーが、初めて学校に通う1年間を描いた物語。彼の勇気ある行動と、それを支える家族や友人の視点を通して、外見にとらわれず「本質」を見ること、そして「親切を選ぶ」ことの尊さを伝えてくれます。
主人公のオギーからの視点だけでなく、彼の家族や友人たちの視点からも、一人ひとりがどのような気質を持った人間かをあたたかい眼差しで描いていきます。太陽のように輝く心を持ったオギーを中心に優しさが連鎖していくのを見ていると、心が浄化していくような気分になります。
展開が早く、「難しい作品は苦手」という方にもおすすめしたい一作です。
初めてこの作品を観た時、途中から涙が止まらず大号泣したのを今でも覚えています!
わたしは光をにぎっている(2019)
都会の片隅で、銭湯を営む店主のもとに身を寄せる主人公。変わりゆく街並みや、いつか消えてしまう大切な居場所を見つめながら「自分の居場所」を模索し、小さな光を見出していく繊細な感性に満ちた一作です。
HSPや繊細さんは、変化に対して人一倍不安を感じることがあると思います。わたし自身も変化が苦手なタイプなのですが、この映画を観て「周りがどんなに変わっても、自分の中にある光だけは消えないし、誰にも消せない」と勇気をもらえた気がしました。
作中で引用される、山村暮鳥の詩「自分は光をにぎっている」がとても素晴らしく、HSPの筆者には響くものがありました。ネットで簡単に検索できるので、よかったら調べてみてくださいね。
映画の主題歌であるカネコアヤノさんの「光の方へ」も最高です!
川の底からこんにちは(2019)
「自分は下から数えたほうが早い女」と自虐しながら東京で生きていた主人公が、父親の病気をきっかけに実家のしじみ工場を継ぐことに。妥協して生きる彼女が、理不尽な周囲の状況に立ち向かい、自分なりの「開き直り」で泥臭く前を向く姿が痛快なヒューマンドラマです。
周囲の期待に答えようとしてすぐに疲弊してしまう筆者にとっては、主人公が「わたしはわたし。だからしょうがない!」と開き直る姿を観て衝撃を受けました(笑)。心が折れそうな状況でも、強引に前を向こうとする力を分けてもらえるような作品です。
キラキラした成功物語ではないからこそ、「今のダメな自分でもいいか」と肩の力を抜いて観ることができます。
ところどころでシュールな笑いが詰まっていて、観終わった後の爽快感は想像以上です!
すーちゃん まいちゃん さわ子さん(2012)
30代女子3人の日常と将来への不安を淡々と描く物語。カフェ勤務、結婚生活、介護……それぞれ違う環境にいながらも、誰もが抱える「このままでいいのかな」という心の機微を優しくすくい上げ、肯定してくれる作品です。
わたし自身が30代後半になってみて思うことは、女性のキャリアは30代でいくつもの選択肢が待っているということです。自分で決められることもあれば、家族や仕事の都合でやむをえず選ばなければいけないこともあり、悩みはつきません。
そんな中で、お互いに寄り添い、美味しいものを食べながら、それぞれの答えを見つけていく日々を淡々と描いているのがこの映画。30代の方には本当に響く一作だと思います。
原作の4コマ漫画には映画のストーリーのその後も描かれているので、気になった方はぜひ!
スタッツ 人生を好転させるツール(2022)
俳優のジョナ・ヒルが、自身の精神療法医フィル・スタッツとの対話を通して、メンタルを健やかに保つための具体的な「ツール」を明かすドキュメンタリー映画。HSPや繊細さんが思考のループにハマった際に役立つ知恵が、映画的な表現で視覚化されています。
これまで紹介してきた作品と大きく違うのは、観終わった後に今すぐ使える技術が手に入るという点。この映画が教えてくれるさまざまな「ツール」は、脳のオーバーヒートを止めるための「強制終了ボタン」のような役割となるはずです。
現在はNetflixのみで配信中です。Netflix民の方はぜひ!
論理的に自分自身と向き合いたいという方は、ぜひペンとノートを用意してから観てみてくださいね!
結論|映画は自分自身を守ってくれる「心のシェルター」

HSPや繊細さんにとって、映画を観るという行為は、単なるエンターテインメント以上の意味を持っています。日々の忙しさや周囲の刺激にさらされて、すり減ってしまった心を、物語という「シェルター」でそっと休ませてあげることができるからです。
今回紹介した作品に共通しているのは、「今の自分のままでも十分素晴らしい」というメッセージです。
「自分らしく生きていく」というのは、決して強い人間になることではありません。自分の繊細さを認め、何に癒やされ、何に心が動くのかを大切に守っていくこと。そのプロセスこそが、自分を愛することに繋がります。
心が疲れた夜や、自分を見失いそうな日には、ぜひ今回紹介した作品から気になったものを選んでみてください。あなたの心をそっと包んでくれる、小さなお守りになってくれるはずです。

